「自分がやりたかったフットボールはこれです」
アメリカ人の父と日本人の母を持つポープは東京都日野市で生まれ育ち、中学校進学とともに東京ヴェルディのジュニアユースに加入。ユースをへて2013年にトップチームへの昇格を果たしたが、10月に30歳になる今シーズンの現段階でJ1リーグでの出場は21試合にとどまっている。
ヴェルディでは定位置をつかめないまま2016年にJ2のFC岐阜、翌年には川崎フロンターレへ期限付き移籍。2018年には川崎Fへの完全移籍に切り替えるも、J1リーグを連覇した黄金期で公式戦の出場機会を得られず、2019年に大分トリニータ、2020年にはファジアーノ岡山へ期限付き移籍を繰り返した。
岡山ではリーグ戦40試合に出場したが、2021年に完全移籍で復帰し、再びJ1に挑んだ大分で14試合の出場にとどまった。2022年からはFC町田ゼルビアへ完全移籍。黒田剛監督のもとでJ2リーグ優勝を達成した昨シーズンは開幕から守護神を拝命したが、第32節以降の11試合はリザーブに回った。
「去年も最後の方ではJ2のベンチでしたけど、そういった状況でも自分自身を信じていました。苦しい時期もありましたけど、それでも努力し続けることでどんどん道を切り開いていくというか、強い気持ちを持ちながら自分の力で前へ進んでいくのがサッカー選手の人生だと思っているので」
昨オフには一森純がガンバ大阪へ復帰し、守護神が不在となったマリノスからオファーが届いた。チームとして主導権を握り続けるチームの最後尾を守りたい、といつしか思い描いてきたポープは、延べ8チーム目となったマリノスを「自分がやりたかったフットボールはこれです」と位置づけている。
充実感を覚えているポープの視線の先には、ともにマリノスOBで歴史を知る松永成立キーパーコーチ、榎本哲也アシスタントキーパーコーチの存在がある。ポープは開幕後にこう語っていた。