2つのゴールに共通するのは…
後半立ち上がりの2点目はストライカーらしいゴールだった。リカルド・グラッサのクリアボールをジャーメインが自陣に降りて落とした流れから、MF藤原健介のクロスにMF平川怜がファーサイドから勢いよくヘッドで合わせるが、GK村上昌謙に弾かれてしまう。しかし、手前に溢れてきたボールをジャーメインが逃さずに、相手ディフェンスより一瞬早く、スライディング気味に左足を振り抜いた。
「ちょっと遅れてでしたけど、いいボールが(藤原)健介から上がって。(平川)怜のところで決まるかなと思ったんですけど、しっかり枠の中にミートできてよかった」
2つのゴールに共通するのは1つ起点を作るプレーからゴール前に走り込んでいることだ。ここ数試合は190cmのFWマテウス・ペイショットと2トップを組んでいたが、この日は藤川と縦に並ぶような形。ゴールシーンのように起点になる動きから、ゴール前でフィニッシュに絡むという一連の流れを強くイメージしていたという。182cmと上背があり、スピードを武器とするのは以前からだが、川崎フロンターレ戦の4得点など、J1で得点を重ねる中で得た自信が、特長を生かした迷いのないフィニッシュにつながっているように見える。
ジャーメインの2得点でリードを広げた磐田だったが、FWウェリントンを投入した福岡に、シャハブ・ザヘディの2ゴールで追いつかれてしまった。2つ目の失点は自陣でのパスミスからだったが、ジャーメインは「狙い通りのゲームの進め方をできた中で、1点目を取られるのが少し早かった」と悔やんだ。振り返れば2得点を決めた後にも、ペナルティエリア内でボールを受けるなど、ハットトリックとなる3点目を決めそうな惜しいシーンはあった。