「差別化するために…」大久保智明の中盤起用
「(インサイドハーフに)置かれた意味は背後へのランニングや中央から運ぶこと、他の選手と差別化するためにも、自分はやらなければいけない。仕掛けない、前につっかけないでは、自分が出た意味がないので、そこは意識しました」
前半から浦和がボールを保持する展開が続くが、スコアレスのままハーフタイムを迎えた。ペア・マティアス・ヘグモ監督は「前半は、大きなチャンスは作れなかったものの、ゲームをコントロールできていたと思います。ハーフタイムでは『後半に入ればよりスペースが生まれてくるので、焦れずにプレーし続けよう』という話をしました」と言う。
それが48分のグスタフソンのシュート、続く52分のサンタナのシュートシーンへと繋がり、あと一歩でゴールが生まれる決定機を作り出していた。58分にはDF左サイドを深くえぐった渡邊凌磨が、柔らかいクロスをファーに送る。2列目から飛び込んできた伊藤敦樹がフリーとなりヘディングでシュートを狙うが、これは惜しくもポストに嫌われた。「あそこに入れたことは良かったけど決めなければいけないシーン。少し体が流れてしまって、角度はあったけど決めなければいけなかった」と唇を嚙んだ。
安易にチャンスを逃すと、一転ピンチになるのは“サッカーあるある”でもある。もしかすると、この瞬間に勝利の女神も、へそを曲げてしまったのかもしれない。