海外組とのクオリティの差は?
まだ海外に行っていないからという理由だけで、そこに行くのに十分な力を持っていないと判断することはできない。例えば、かねてから噂になっているクラブが松木玖生との契約を勝ち取るのも時間の問題だろう。国内サッカーのレベルは年々向上しており、Jリーグと欧州の登竜門となるリーグとのクオリティの差は、かつてほど大きくはなくなっている。
実際、昨年11月にIAIスタジアム日本平で行なわれたU-22アルゼンチン代表戦では、1点ビハインドから5-2で逆転し、この世代の選手たちが到達できるレベルの高さを示した。
松木と藤田譲瑠チマを含むアルゼンチン戦に先発した6人はアジアカップが行われるカタールへ赴いた。松木は2024シーズンのJ1リーグで序盤からFC東京で印象的なプレーを披露している。ポゼッションの有無にかかわらず闘争心を失わず、ファイナルサードでの決定力とラストパスの質も高い。
青森山田に在籍していた頃から、松木は自信に満ち溢れていた。昨年のアルゼンチン戦の勝利後、彼はこの結果とパフォーマンスが日本代表に与える影響について、次のように語った。
「アルゼンチンのような南米のチームに勝つ切ることは、チームの自信につながります。でも2失点してしまったので、失点を防げなければ、最終予選にも響いてくるかもしれない」
また、世界で最も有名な国際チームのひとつを相手にした日本の積極的なアプローチに関しても、彼は強気だった。「どのチームと対戦するかは関係ない。ボールを奪えなければ、攻撃を始められない」。
若きサムライのエンジンルームにおける松木のパートナーも、この試合では同じように本領を発揮していた。藤田は屈強なアルゼンチン人選手とのチャレンジに楽しそうに身を投じ、パスレンジの広さや、見事なターンやフリックを披露していた。
「レベルが高いサッカーが90分間続いていたのでとても楽しい時間だった。自分自身も何かやってやろうとポジティブに臨めたと思う。こうして試合に勝ち続けることができれば、自信もついてくると思う」