FC町田ゼルビア戦の勝利がひとつの基準に?
【写真:Getty Images】
後半アディショナルタイムにドレシェヴィッチの一発を浴び、1点差に詰め寄られたが、最終的に神戸が2−1で勝利。勝ち点を14に引き上げ、町田を首位から引きずり落とし、新たにトップに立ったセレッソ大阪との勝ち点差を4に詰めることができた。
「ここで負ければ上との勝ち点が広がる状況で3ポイントを積めたことはすごく大きい」と山口も前向きにコメントしていたが、大迫不在の状況で2点を取って勝ち切ったことで、新たな方向性が見えたのは確かだろう。
「サコ君がいる時のよさもありますし、逆に今日みたいにフレッシュな選手たちが裏を狙うよさもあると思う。特に今日は『大迫選手がいなかったから勝てなかった』と言われるのは絶対に嫌だとみんな思っていたはず。そういった意味で、町田に打ち勝てたっていうのは1人ひとりの自信にもつながった。いい競争も生まれてくるんじゃないかなと思います」
武藤もこう力を込めていたが、大迫1人だけに頼っていたら、神戸はさらなる高みに上り詰めることはできない。今季は宮代が4点、武藤が3点、佐々木が1点と得点源が分散し、山内のような新戦力も台頭してきている。これはポジティブな要素だろう。
「多彩な形でゴールを取って勝てるチーム」になれれば、吉田監督にとっても理想的。もちろん大迫がいた方がもちろん力強いし、彼抜きにシーズンを戦い抜くことはできないが、それ以外のオプションを作ることも重要だ。
この町田戦の戦い方を1つの基準にして、先につなげていくことができれば、彼らは勢いに乗れるはず。ここから湘南ベルマーレ、京都サンガF.C.、名古屋グランパスと試合が続くが、連勝街道を突き進んで、タイトルに向かっていきたいところだ。
(取材・文:元川悦子)