「なかなか難しい」宮市亮との駆け引きとは

【写真：Getty Images】

「いろんな選手と対峙したけど、1対1をどうやって守るかというのがなかなか難しい。サイドハーフだったらサイドバックと対峙することが多いのでなんとかできても、ウインガーと1対1になるのは結構難しくて……」

　FC東京の遠藤とマリノスの宮市はともに突破力を武器にするウインガーだが、周囲との関係性の中で警戒すべきポイントは変わってくる。サイドハーフとサイドバックではディフェンスの役割も変わり、サイドバックはシュートという選択肢も頭に入れながらゴールを守る場面も多くなる。FC東京戦に比べると、マリノス戦ではマッチアップするウインガーとの間合いを詰めているように見えた。

「ジェジ（ジェジエウ）は守備範囲が広いので、ある程度ボールというか、宮市選手に近い距離でプレーできるようにという意識はしていた。全部セオリー通りに守っていたら宮市選手にプレッシャーがかからないので、ある程度はジェジに裏（スペース）を任せて、僕が宮市選手にできるだけ近い位置で駆け引きして自由にやらせないことを意識していた」

　もちろん、最終ラインから動かないでスペースを守っていれば、それなりになんとかなるかもしれない。ただ、マリノスの攻撃に対抗するためには、受動的な守備ではなく、能動的な守備が必要になる。経験としては浅いが、そのあたりの間合いや駆け引きを、瀬川は試合を通じて掴みかけているという。

「守りに入らないようにしています。いろんなチャレンジをして抜かれて、チャレンジをしてやられて…。そういう経験が今はないんで、経験値を積みながらというところです。怖いですけどね」

「まだ自分がディフェンダーという認識が甘いので、無失点に対して『よっしゃ！』みたいな喜びはない」と言いつつも、守備への意識は確実に高まっている。「試合をやっていてボールを取れる回数とか、クロスを上げさせない距離感も掴めつつある。僕がもっと個じゃなくてチームで守る頭を持つようになるともっと綺麗に（ボールを）取れるかなと」。

　3試合連続先発となったFC町田ゼルビア戦は瀬川のディフェンス力が試される試合になった。まずは立ち上がりの3分、左サイドハーフの藤本一輝とマッチアップしたシーンで、瀬川は倒れて突破を許してしまう。このシーンを瀬川はこう振り返る。