数々の苦い経験を乗り越えて、植中朝日はゴールを決めてきた
今季初ゴールにも満足する様子は一切ない。「こういうときこそ気を引き締めて初心を忘れず、やってきたことを積み上げていかないといけない」。これまで積み上げてきたことには数多の失敗も含まれるかもしれないが、それを1つひとつ消化して糧にしてきたからこそ今がある。
まもなく開幕するAFC U-23アジアカップに臨むU-23日本代表メンバーに選ばれなかったこともその1つかもしれない。それでも、「落ち込んでいる暇はない」「シンプルにJリーグで活躍したい」とマリノスでの活躍を誓っていた。
試合終了間際のゴールで思い出すのは、昨年8月の北海道コンサドーレ札幌戦。このシーズンに加入した植中にリーグ戦初先発のチャンスが回ってきたが、「今日は本当に良くなくて、負の連鎖になっていた」といいところを出せず。それでも「最後まで走った結果、ゴールを決めることができて良かった」と一矢報いる結果を残した。
今季は[4-3-3]のインサイドハーフ(シャドー)に入ることが多い植中だが、その経験は様々な面で活きる。「中盤に入っても、自分はFW的なプレーを求められていると思っているので、そこは忘れずに続けていきたい」。2列目からFWを追い越していく動きや、クロスに飛び込んでいく動きは、山根陸やナム・テヒ、天野純らよりも長けており、FWを本職としているからこその強みとも言える。
逆もまた然り。今日のようにFWとしてプレーしたときには、MFでの経験が活かされる。その1つが試合終盤のアクシデントである。