「一瞬の隙を狙って…」「ボールを持った瞬間に決めた」
連戦でフル稼働が続くロペスを助けるべく前線を走るとともに、中盤へのプレスバックも怠らない。ファウルになってしまったものの、90分にカウンターを受けた際は、敵陣ペナルティーエリアから70m近くも走って戻った。直後のガンバのFKをGKポープ・ウィリアムがキャッチすると、猛然と前線を駆け上がり、ポープからのロングフィードの受け手になった。
「終盤で相手も疲れてくると思ったので、常にクロスに入っていったり、一瞬の隙を狙って背後を狙おうとしていました」
決定機を逸しても、パスが通らなくても、植中は走り続けた。そして、最後の最後に努力が報われる。目安となるアディショナルタイムの7分台に突入し、永戸が前線に向かって高く蹴り上げる。これを宮市がスルーすると、ボールは植中の下へ転がった。相手が前がかりになっている状況で植中は迷わず仕掛け、左足を振り抜いてファーサイドに決めた。
「もう時間的に終盤だったので、絶対に(シュートを)打とうとボールを持った瞬間に決めました」
投入直後の決定機を外したことで気持ちが切れていたら、最後のゴールはなかっただろう。ただ、1つの失敗で気持ちが切れるような選手ではない。植中はこれまでもたくさんの苦境を乗り越えて強くなってきた。