5位:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
【写真:Getty Images】
監督:トーマス・トゥヘル(2年目)
23/24欧州CLグループリーグ成績:5勝1分0敗(1位)
戦力値:82(攻撃力22、守備力19、選手層20、勝負強さ21)
ドイツの“絶対的王者“バイエルン・ミュンヘンに“異変”が生じている。トーマス・トゥヘル体制2年目となった今シーズンは、ブンデスリーガ12連覇に加えてUEFAチャンピオンズリーグ(CL)、DFBポカールのトレブル(3冠)が目標になると考えられていた。しかし、現実は甘くなく、ブンデスリーガはレバークーゼンに勝ち点を16ポイントも離されて終戦モード。DFBポカールも2回戦敗退と、無冠が現実味を帯びている。唯一フェアにタイトルの可能性が残されているCL優勝も現状を見る限り簡単ではないだろう。
「22」とした「攻撃力」は今季から加入したイングランド代表FWハリー・ケインとドイツ代表MFジャマル・ムシアラ、ドイツ代表FWレロイ・ザネを中心としたタレントたちの力もあり破壊力抜群だ。実際に、ブンデスリーガでは28試合で80得点とダントツトップのスタッツを記録。中でもケインは32ゴールと得点を量産しており、CLでも8試合6ゴールと結果を残している。ラツィオとの決勝トーナメント1回戦2nd legでの2ゴールも記憶に新しいだろう。
しかし、この抜群の破壊力を誇る「攻撃力」以上にネックになっているのが「19」に留めた「守備力」だ。現在ブンデスリーガでは10試合連続失点中で、その間に19失点も喫している。直近の昇格組ハイデンハイム戦でも3点を失って2-3と敗れた。それもターンオーバーをせずに現状のベストメンバーでの3失点であり、守備が不安定を極めている。チームのモチベーションの低さがこの結果に繋がっており、もはや誰の責任とかの次元ではない。
この最悪の状況でバイエルンはCL準々決勝でプレミアリーグの首位アーセナルと戦う。7年前に決勝トーナメント1回戦で対戦した際には2試合連続で5-1の大勝を収め、2戦合計10-2の完勝でベスト8に駒を進めた。相性の良さは間違いないだろうが、現状のチーム状況があまりに正反対すぎる。エースのケインがアーセナル戦通算19試合で14ゴールと相性が良い点はポジティブに捉えたいが、現在の課題である「守備」が改善されない限り次ラウンド進出は難しいだろう。この危機的状況でトゥヘル監督は自らの手腕を発揮できるのか。