7位:バルセロナ(スペイン)
【写真:Getty Images】
監督:シャビ・エルナンデス(3年目)
23/24欧州CLグループリーグ成績:4勝0分2敗(1位)
戦力値:78(攻撃力21、守備力19、選手層21、勝負強さ17)
バルセロナは1月末にシャビ・エルナンデス監督が今シーズン限りで監督を退任すると発表してから強さを取り戻している。実際にそれ以降に行われた公式戦11試合で8勝3分と無敗をキープしており、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16では昨季のイタリア王者ナポリに完勝を収めてベスト8入りを果たした。
今シーズンのバルセロナはガビやペドリ、アレハンドロ・バルデら若きチームの中心選手の相次ぐ長期離脱で苦戦を強いられていた。その中で復調を支えたのが、彼ら以上に若いカンテラ(下部組織)出身の選手たちだ。中でもサプライズだったのが17歳のCBパウ・クバルシで、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)デビュー戦となったナポリとのラウンド16 2nd legではナイジェリア代表FWビクター・オシムヘンを完封。その勢いのまま、3月末にはスペイン代表デビューを飾った。
今シーズン前半戦にブレイクした16歳のスペイン代表FWラミン・ヤマルに次ぐカンテラ産の才能のおかげもあって「守備力」は大幅な改善がみられている。実際に直近のラ・リーガでは5試合連続無失点と、昨シーズンに強みとしていた「堅守」が復活。またクバルシは守備だけでなく、球出しの部分でも抜群の貢献度があり、彼の存在がチームを変えたと言っても過言ではない。この若手の台頭に火がついたのかベテラン勢の復調も目立つ。エースのロベルト・レバンドフスキは先述したナポリとの2試合で1ゴールずつ奪い、準々決勝進出の立役者となった。
その一方で懸念されているのがシャビ・バルセロナの最大の課題でもある「勝負弱さ」だ。とにかくトーナメントに弱く、CLでグループステージ敗退となった昨季は、UEFAヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント進出をかけたプレーオフでまさかの敗戦。国内カップ戦であるコパ・デル・レイでも決勝に進出した経験がない。準々決勝で対戦するパリ・サンジェルマンも勝負強いチームではないが、監督はCL優勝経験のあるルイス・エンリケだ。両者の経験の差が出なければよいが…。