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【遠藤航・分析コラム】なぜ早い時間帯で交代?日本代表MFが伝統の一戦で輝けなかった理由とは

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

明暗分かれた両軍の中盤



 この試合でマンチェスター・ユナイテッドとリバプールの中盤、どちらが機能していたかと問われれば答えは明確だろう。ホームチームのスコアラーはブルーノ・フェルナンデスとコビー・メイヌーという2人のMFであり、1対1の局面でも彼らがリバプールの中盤3枚を上回った。

 両軍は共に[4-2-3-1]をベースに布陣を組んでおり、ゲームスタート時にマンチェスター・ユナイテッドはカゼミーロ、メイヌー、ブルーノ・フェルナンデスの3選手、リバプールは遠藤とアレクシス・マクアリスター、ドミニク・ソボスライの3選手が中盤を形成していた。

 その中で彼らの地上戦勝率にフォーカスを当てると、マンチェスター・ユナイテッドは約67%の勝率(カゼミーロ(4/8)、メイヌー(8/9)、ブルーノ・フェルナンデス(6/10))を誇ったのに対して、リバプールは約36%(遠藤(3/9)、マクアリスター(5/10)、ソボスライ(1/6))に留まった。

 全ての局面で彼ら同士がマッチアップをしたわけではないが、マンチェスター・ユナイテッドのMF陣が攻守ともにデュエルで上回ったのは試合を見ていても明らかだった。遠藤がフィルター役となって好守備から攻撃の起点となったシーンもあったが、リバプールが絶好調の試合と比較すると少なく、逆に中盤を経由したマンチェスター・ユナイテッドのカウンターをチームとして止められない場面が目立った。

 それは50分にブルーノ・フェルナンデスが同点ゴールを決めてからより顕著になった。この時間から逆転ゴールを許す67分までの17分間はマンチェスター・ユナイテッドのインテンシティがかなり高く、リバプールの中盤はほとんどフィルターとして機能することなく攻撃を受け続けた。実際にホームチームが試合を通して放った9本のシュートのうち8本がこの時間帯で生まれている。

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