いまのアーセナルには死角がない
無失点への強いこだわりがよく表れていたのが、アディショナルタイムにジョアン・ペドロにシュートを打たれたシーンだ。マガリャインスが左足でシュートをブロックした時、彼の周りにいたチームメイトたちはまるでマガリャインスがゴールを決めたかのように祝福した。
3-0でリードしていたのにも関わらず、シュートブロックを祝う選手たちに対して、アルテタ監督は「3-0でのチームの反応を見て、コーチ全員が本当に嬉しく思っている。選手たちがどれだけタイトルを欲しているか、そして1球1球に集中しているかが伝わってくるからね」(『football.london』)と語った。
指揮官が話した通り、守備に集中するアーセナルの選手たちが見せるセカンドボール1球1球への執着は尋常ではない。「どれだけゴールを奪ったとしても、絶対に相手にゴールを許さない」という信念がピッチに立つ選手たち全員に共有され、実際の守備に表現されている。
いまのアーセナルが自陣に引いて守った時、それを崩すことができるチームはそう多くはないだろう。そして、ボールを保持して攻め立てる“強者的なサッカー”も、しっかり守ってカウンターからチャンスを作る“弱者的なサッカー”も、両方の戦い方ができるチームに死角はない。そういう意味で、現在のガナーズを「最強」だと表現しても間違いではないはずだ。
(文:竹内快)