藤原健介と古川陽介。2人の20歳がジュビロ磐田に与えるもの
そう語る藤原は磐田のアカデミーからトップ昇格して3年目となる。チームがJ2にいた昨年は3月にJリーグYBCルヴァンカップの北海道コンサドーレ札幌戦でプロ初得点を決めると、夏前に一時期、中盤のポジションを掴みかけた。しかし、腰と左足の負傷から回復に時間がかかり、チーム練習に復帰してからも、J1昇格をかけて戦っていたチームで試合に絡めない悔しさを味わった。
遠藤保仁が現役引退し、磐田は昇格組としてJ1を戦うにあたり、中盤に福岡から30歳の中村駿、26歳のブラジル人MFレオ・ゴメスを獲得したが、藤原にかかる期待も大きい。流れの中ではもちろん、セットプレーでもチャンスを作ることができ、鹿島戦の終盤もキッカーを担った。その藤原の存在を同期として、頼もしく感じているのがMF古川陽介だ。左サイドハーフのドリブラーとして異彩を放つ古川は神戸との開幕戦から5試合全て途中投入で起用されている。
鹿島戦では1点を追いかける61分から左サイドに投入されると、カットインから巻き気味のミドルシュートが惜しくも右ポストのギリギリ外に外れるなど、鹿島ゴールを脅かした。その古川は12分後にボランチに入ってきた藤原について「僕が詰まった時とかにいいサポートもあったし、トラップで中に侵入していける選手なので。そういう基礎技術の高さだったり、ゲームメイクのところ、アグレッシブさはあいつのいいところ」と語る。
「ああいう緊迫した試合で、J1に出るのはあんまり多くなかったと思うので。慣れない部分も多かったと思うんですけど、もっと良くなると思いますし自分も負けないようにやらないと」
静岡学園から磐田に加入して3年目の古川はスタメン定着を目指しているが、現在の起用法にも向き合って、まずは短い時間でゴールやアシストを記録して、チームに勝ち点をもたらすことに集中しているようだ。ここまではそうした個人の結果がついて来ていないが、古川は「チャンスになりかけてるシーンも多いですし、一発決められればというところなので。誰が起爆剤になれるのかというところで、自分が盛り上げられるように」と前向きだ。