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「ドリブルのミスは成功の布石」松井大輔だからこそ分かる久保建英の技術。一瞬生まれた3つ目の選択肢「久保は見逃しません」

シリーズ:松井大輔のドリブル分析 text by 松井大輔 photo by Getty Images

久保建英は「メッシの系譜」。いいパスを出せる理由をひも解く



 先述のとおり、久保はドリブルだけでなく、パスやシュートといったすべてのプレーが高品質な選手です。ドリブル時の姿勢がいいので、視野を広く保つことができます。それがいいパスを供給できる要因のひとつになっています。伊東のようなスピードや三笘のようなアジリティに優れているわけではないので、必然的にパスを主体とした前進を好みます。加えて、パスあるいはシュートという選択肢で相手を釣ってドリブルを仕掛けることもあります。

 そういったプレースタイルには、リオネル・メッシの系譜を感じさせます。メッシにはドリブルの印象が強い人も多いとは思いますが、縦方向にパスを当ててリターンパスをもらいゴールに迫っていくプレーが得意パターンのひとつになっています。久保も同様のプレーを好むので、若かりし頃にお手本としていたのかもしれません。メッシのようにディフェンスラインと中盤ラインの間でボールを受けるプレーも得意とし、状況がよければそこからターンしてワンツーでゴールへ迫るといった場面はみなさんも容易に想像できるのではないでしょうか。

 また、久保には的確な状況判断とその早さという特長もあります。そういった久保の特長は、ラ・リーガ第25節マジョルカ戦でのゴールシーンにも表れていました。

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