「涙があふれる…」取り戻した鹿島アントラーズの「信念」
「今日、スタジアムに入る前にファンの姿を見て鳥肌が立ちました。彼らの情熱と愛情を感じて、涙があふれてくるのを感じたよ」
その熱量はあらゆる場面でホームチームを後押しした。安西幸輝と濃野公人が何度もサイドを駆け上がってチームをプッシュし、チャヴリッチ、鈴木優磨、名古新太郎が前線からプレッシングをかけ、川崎に一息つく暇を与えなかった。
川崎の鬼木達監督は敗戦後、「一番残念だったのは、自分たちの戦いを最後までできなかったこと。自分たちのゲームに持っていけなかったこと。それが一番悔やまれます」
実際、川崎は36分にマルシーニョのゴールが生まれて1-0で試合を折り返したものの、川崎は常に試合の足場を固めるのに苦労しているように見えた。そして、47分にチャヴリッチ、50分に鈴木が立て続けにゴールを決め、鹿島は後半開始わずか5分で逆転に成功している。
ピッチで自分たちのスタイルを貫きたいという願望を持っていた川崎のフリックやクッションパスは、鹿島の尽きることのないアグレッシブなプレーによってことごとく阻まれた。ホームの選手たちは飛び回るように走って川崎のリズムを破壊した。アウェイチームのパス成功数は90分でわずか348本で、2節前のジュビロ磐田戦(728本)を400本近く下回っていた。
開幕戦でも鹿島は同じようなパターンで長谷川健太監督が率いる名古屋グランパスを圧倒した。豊田スタジアムで3-0の大勝を収め、ポポヴィッチ政権の幕開けを飾った。
セレッソ大阪戦では1-1の引き分けに終わり、序盤戦のサプライズ的存在のFC町田ゼルビア戦には1-0の悔しい敗戦を喫し、その勢いは少し落ち着いたようにも見えたが、彼らが貫いた姿勢は素晴らしかった。川崎戦で勝ち点3を取るために見せた粘り強い戦いぶりは、かつての鹿島が見せた信念を思い出させるものだった。
ポポヴィッチ監督は、ここまでの選手たちの活躍に勇気づけられつつも、浮かれることはない。最高の状態になるのはまだまだ先だと言う。川崎に勝利した後に、指揮官はこう語った。