致命傷になりかねないU-23日本代表の課題
2試合ともに、ハーフタイムでチームとして明確な修正を行っている。U-23マリ代表戦では山本と川﨑の立ち位置を入れ替え、山本が中盤の底にポジションを取った。高い位置を取るようになった川﨑は「前へのエネルギーが出せるようになったと思うし、シンプルに潰すとか前にっていう方に頭を切り替えられた」、山本も「後半頭から自分たちのボールの流れも良くなったし、流れを掴めたのは良かった」と変化を感じていた。
U-23ウクライナ代表戦でも「ハーフタイムでしっかり選手たちでいろんな話をして、後半は修正できたと思う」と松木は言う。高い位置からの前線からのプレスに、中盤や最終ラインが呼応して動く連動性は、前半に比べて改善されていた部分の1つだ。
ただ、松木が「もう少し流動的にプレスをかけるところをピッチ内で修正できれば、また(状況は)変わってくる」とも言っていた。U-23ウクライナ代表戦は失点することなく前半を終えることができたが、修正できなければU-23マリ代表戦のように失点を重ねてしまうかもしれない。4月のパリ五輪アジア最終予選(AFC U-23アジアカップカタール2024)では、そういった修正の迅速さが致命傷になりかねない。
ハーフタイムを経て明確に修正する姿を見ても、選手たちの「チームとしてやるべきことをしっかりやる」という意識の強さは強く感じる。ただ、サッカーは瞬間的な決断の連続であり、相手が常に存在するスポーツだ。こちらがグーを出した後に相手がパーを出したら、チョキを出さないとやられてしまう。相手の出方を見て修正するという後出しじゃんけんを絶え間なく、いたちごっこのように続けなければならない。
U-23マリ代表戦で失点につながるミスを犯し、なかなか持ち味を出せずにいた川﨑はこのような言葉を残している。