「鹿島で試合に出れなかった2年間も自分自身は…」
【写真:Getty Images】
鹿島アントラーズ在籍2年目だった2021年に10ゴールをマークし、2022年1月の日本代表候補合宿にも招集されたことのある彼だけに、もともとアタッカーとしての能力は傑出したものがあった。当時はパリ五輪代表のエース級と目されており、大岩監督の期待も大きかったはずだ。
しかし、2022年以降は出場機会が激減。代表からも遠ざかり、今季を迎えるに当たって4年間、プレーした鹿島を離れる決断をした。
「鹿島で試合に出れなかった2年間も自分自身は落ちてないと思ってたし、出ればやれるというのは分かっていました。やっぱり僕はトップ下を置く監督の下でサッカーがしたいですし、そのポジションで一番輝ける。自分を必要としてくれる監督のところでサッカーをしたいと思って、移籍を決断しました」と本人は2024年シーズン開幕前にピーター・クラモフスキー監督からの熱烈オファーに応えたことを明かしていた。
そこからリーグ4試合で4得点。鋭い得点感覚が戻ってきた。目下、J1得点ランキング2位という際立った仕事ぶりが大岩監督の目に留まり、2年ぶりの代表復帰となった。そのいい流れを今回のウクライナ戦に持ち込むことが彼に課せられるタスク。今、求められるのは、ズバリ、ゴールという明確な結果だ。
「数字の結果を残せれば一番いいんですけど、アシストのところだったり、ゲームメークのところは自分の武器。そこも出せればいい」と本人も目をぎらつかせている。
とはいえ、クラブでの主戦場であるトップ下と、代表のIHは微妙に役割が違ってくる。FC東京では2枚のボランチがいるから、荒木は思い切ってトップの位置まで上がれるし、ゴールに突き進む回数も自ずと増えてくる。だが、大岩ジャパンの中盤は非常に流動的。相手の出方を見つつ、臨機応変にポジションを変えたり、攻守両面でのハードワークをする必要がある。
「自分は味方に合わせるのが得意ですし、その中で自分でゴールを奪っていくプレースタイル。IHも問題なくやれるかなと思います」と本人は自信を見せていた。
今回、1つの追い風になりそうなのは、チームメートの松木とIHの組むことだ。