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日本代表 8か月前

「あの経験があって…」サッカー日本代表、板倉滉が乗り越えた“トラウマ”。己との戦いでもあった北朝鮮戦の真実【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「このままじゃダメだ、日本代表をもっと強くしたい」



 森保一監督から託されたのはキャプテンマーク。チームキャプテンのMF遠藤航は、所属するリバプールの中盤の底で延長戦を含めて120分間フル出場を果たした、マンチェスター・ユナイテッドとのFAカップ準々決勝から中2日という強行スケジュールが考慮されてベンチスタートだった。

 板倉が代表戦でキャプテンを務めるのは2度目。ヨドコウ桜スタジアムにコロンビア代表を迎えた、昨年3月の国際親善試合以来だった。もっとも、第2次森保政権がスタートとして2戦目だった前回と、一敗地にまみれたアジアカップからの再出発を期した今回とでは状況がまったく違う。

 何よりもコロンビア戦では開始3分にMF三笘薫のゴールで先制しながら、33分と61分に連続失点して1-2の逆転負けを喫していた。しかも、まるでデジャブのように、北朝鮮戦でも開始2分にMF田中碧のゴールで先制した。ひるがえって、今回はその後を守り切った。板倉の言葉に実感がこもる。

「危機感を持って日本に帰ってきていた。このままじゃダメだ、日本代表をもっと強くしたい、という思いがすごく強かったなかで、キャプテンを任せてもらった。自分のプレーがどうこう、というのは正直なところどうでもいいというか、チームが最後に勝っていればいい、という気持ちでプレーしていた」

 前半は北朝鮮のシュートを0本に封じた。危なくなりかけたシーンもほぼなかった展開が、ハームタイムをへて一変したのは、田中の先制点をアシストしたMF堂安律の言葉を聞けばわかる。

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