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サッカー日本代表は21日、FIFAワールドカップ26アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選で北朝鮮代表と対戦し、1-0で勝利した。この試合に先発したDF板倉滉は、並々ならぬ思いでピッチに立っていた。屈辱のアジアカップを終え、また新たな一歩を踏み出そうとしていたのだ。(取材・文:藤江直人)
屈辱のアジア杯を経て…
【写真:Getty Images】
短い言葉に込められた万感の思い。板倉滉の第一声を聞いて、心の叫びを感じずにはいられなかった。
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「今日は何よりも結果が必要だった。勝ててよかった」
6万人近くの観客で埋まった国立競技場で北朝鮮代表と対峙した、21日のFIFAワールドカップ26アジア2次予選の第3戦。板倉には相手どうこうより、何がなんでも勝たなければいけない理由があった。
優勝候補筆頭として臨んだ先のアジアカップで、日本は準々決勝でイラン代表に屈した。28分にMF守田英正のゴールで先制しながら、イランがロングボール戦法に切り替えた後半に戦況が一変した。
標的にすえられたのは24分にイエローカードをもらうなど、精彩を欠いたプレーが目立った板倉。主導権を握られた展開で55分に同点とされ、延長戦突入の気配が漂っていた96分にはまさかのPKを献上。これを決められて万事休した。ペナルティーエリア内で相手選手を倒した板倉は自らを責め続けた。
「今日の敗因は自分にある。自分がもっといいパフォーマンスをしていれば日本代表は勝てた。申し訳ない気持ちでいっぱいだし、このままでは代表戦のピッチに立つ資格はないと思っている」
汚名返上のチャンスはすぐに巡ってきた。北朝鮮戦に臨む森保ジャパンに選出され、ドイツから帰国した板倉は、千葉市内で18日から始まった代表合宿期間中にも「みんなに申し訳ない、という気持ちは常に持っています」とイラン戦を引きずりながらも、必死に歯を食いしばって前を向こうとしていた。
「それでも毎日、次の日が来る。その繰り返しのなかで、いつまでも立ち止まっているわけにはいかない。あの経験があってよかったと思えるような、そんなキャリアを歩んでいきたい」
怪我から復帰したばかりのDF冨安健洋が選外となった北朝鮮戦のキックオフ前。最終ラインを束ねる役割とともに先発に名を連ねた板倉の心を震わせ、モチベーションをさらに高める出来事があった。