痛感した違いと露呈した不安要素
U-23日本代表の入りは悪くなかった。開始早々の2分に得た右サイドからのFKを名手・山田楓喜が蹴り、植中朝日がスラしたボールを相手DFがクリア。このこぼれ球に飛び込んだ平河が豪快な右足シュートを蹴り込み、いきなり先制点をゲットしたのだ。
ところが、直後にDFラインの西尾隆矢のミスパスを高い位置で拾われてそのままシュートに持ち込まれた。GK野澤大志ブランドンが弾くというヒヤリとするこのシーンを機に、U-23日本代表はU-23マリ代表に攻め込まれるようになる。アフリカ勢特有のフィジカルやスピード、足がスッと伸びてくるところに選手たちが戸惑い、対応に苦慮する様子が見受けられ、国際経験不足を露呈する形になった。
「足が伸びてくることだったり、単純な身体能力の違いを痛感した」とDF陣の主軸である西尾も苦渋の表情を浮かべたが、そのあたりは最終予選に向けての不安要素と言っていい。
悪い流れを断ち切れず、U-23日本代表は34分に失点してしまう。それもGK野澤からボールを受けた川﨑颯太の横パスを相手にカットされ、そこから10番のマスドラ・サンギャレに決められた形だった。川﨑本人はこのミスを次のように振り返る。