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「まだ迷いがある」サッカー日本代表、伊藤洋輝の左SB起用は限界か。指揮官はほったらかし、バックパス癖は直らず

text by 編集部 photo by Getty Images

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伊藤洋輝のパフォーマンスはまた微妙に…

日本代表の伊藤洋輝
【写真:Getty Images】

 サッカー日本代表は21日、FIFAワールドカップ26アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選で北朝鮮代表と対戦し、1-0の勝利を収めた。この試合で森保ジャパンは、スタートから4-2-3-1のフォーメーションを採用。その中で、左サイドバックとして先発出場を果たした伊藤洋輝のパフォーマンスはやや厳しかった。


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 日本代表は開始わずか2分、田中碧のゴールで先制。この時点でゴールラッシュへの期待感が高まったが、以降は北朝鮮代表を前に攻めあぐね、結局90分間で1点しか奪うことしかできなかった。もちろん結果が第一であることは確かだが、収穫という意味でとくに何も残らなかったと言わざるを得ない。

 そんな試合で改めて浮き彫りとなったのが、伊藤の左SB起用問題である。一昨年6月の日本代表デビュー以降、このポジションで使われ続けているものの、周囲を納得させることができていない。北朝鮮代表戦も、例外ではなかった。

 試合終了間際、左ウィングバックに入った伊藤は、外から中に切り込み、最後は上田綺世への高質なスルーパスでチャンスを演出するなど、素晴らしいアクションを見せた。しかし、それまでのプレーはかなり消極的で、左からのビルドアップが機能していたかと言えばそうではない。これまで伊藤は「バックパスが多すぎる」と批判を浴びてきたが、北朝鮮戦でもその癖が出ていた。

 バックパス自体が決して悪いわけではないが、確かに伊藤のそれは頻度が多い。最も大きな要因として、まず伊藤は何よりボールを失うことを恐れているように見える。カタールワールドカップのコスタリカ代表戦で、これでもかと三笘薫にパスをつけなかったのも、カウンターのリスクを避けるためだった。チームとしてはボール保持を維持する上で重要だが、観ている側からすると、それが判断の悪さや消極的な姿勢という風に映る。パスを受けた際、ボールを外側ではなく、内側に置く癖があるのも、セーフティーなプレーを意識しているからではないか。

 ただ、これは選手だけの問題なのか。そもそもビルドアップの形が整理されておらず、選手の判断任せになっているから、伊藤のプレーが物足りなく映っているととらえることもできる。本来、伊藤はSBのプレーヤーではない。森保一監督にコンバートされたわけだが、ただ当てはめられているだけで、明確なメッセージを受け取っているのか疑問だ。いわば問題がない状態で、答えを求められている。

「もっとシンプルに(前田)大然くんの背後を使ってもよかったかなと、試合が終わって思いました。ボールを回している時のポジショニングだったりはまだ迷いながらやっている部分があるので、そこはチームとしてもそうだし、近い選手と話しながら修正してやっていければいいと思います」

 試合後の伊藤のコメントだ。代表デビューから2年が経っても「迷いがある」というのは、大きな問題だろう。当然、伊藤自身が考えて改善していく必要はあるものの、ピッチの外から観ている森保監督が何も救いの手を差し伸べておらず、ほったらかしにしている状態なのはいかがなものか。

 ブンデスリーガで躍進しているシュトゥットガルトでは素晴らしいパフォーマンスを披露して評価を得ているなど、伊藤は力のない選手ではない。しかし、日本代表で微妙な姿を見せてしまう事実を偶然で片付けることはできないだろう。このままなら、伊藤の左SB起用はやめるべきだ。

(取材:加藤健一、文・構成:編集部)

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【了】

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