田中碧と守田英正の共通認識
「ビルドアップもそんなに安定していたわけじゃないし、すごく長い縦パスは結構カットされるというか、相手も狙っていた。そういう意味で自分が高い位置を取り過ぎると、そこへパスを出すのを躊躇するかなと思って少し下がってプレーする機会が多かった」
守田と田中はそれぞれ似たイメージを持ちながら意図的にスローダウンさせていたようだが、「見直してみないと分からないですけど」と言う田中は、それが必ずしも最適解だったと言い切らなかった。
「低い位置でプレーすればボールをもらえるけど、それが効率的なのか試合の中で判断しなきゃいけないし、少々疑問を持ちながらプレーしていた」
いい悪いは別として、丁寧にボールをつなぎながら時間を消費した日本代表は、相手のカウンターの精度の低さにも助けられ、シュートを許すことなく前半を終える。しかし、迎えた後半は2枚替えを敢行した北朝鮮代表が1段階ギアを上げ、シンプルなロングボールを交えながらセカンドボールを拾って日本陣内に攻め込む時間が増えた。
前半のように日本代表がボールをキープする時間は減った。この時間帯のことを田中は「正直、落ち着かせることが大事かと言われると、僕はそうではないと思っている」と言う。そんな状況の58分、守田に代わって遠藤がピッチに立つ。遠藤は試合の流れを読みながら、意識していたことを次のように明かした。