なぜ攻撃はスローダウンしたのか? ボランチが明かす意図
北朝鮮代表は4-4-2の陣形だったが、ハイプレスをかけるわけでも、ディフェンスラインを高く保つわけでもなかったが、4-4の中にボールが入った時はそれなりに伸縮してボールを奪い、カウンターにつなげる場面は何度かあった。守田が嫌ったのはそういうシーンのことだろう。日本代表は丁寧にボールをつなごうとするあまり、意図しない形で全体が広がっていた。幅を取ると言えば耳障りはいいかもしれないが、守田が言うように「ゴールを取りに行くためのビルドアップになっていなかった」。
ベンチで前半の戦況を見届けた遠藤も「もうちょっとサイドをシンプルに使ったり、上田綺世が裏に抜け出したシーンのようなボールをシンプルに入れても良かったみたいなイメージはありました」と振り返りながらも「前半の戦い方はそんなに悪くなかった」と総括した。
ただ、守田は「試合の展開の中で、無理に(前を)見る必要はないかなと思っていた」と言う。「センターバックやサイドバックを使いながら、隙があれば(狙う)」という狙いには明確な意図がある。
「結構縦パスが狙われていて、ひっくり返されたりもしていた。嫌な失い方をしたときの守備のオーガナイズだったり、1人目がボールホルダーにまずプレッシャーをかける。攻撃と守備があまりセットじゃなかったという印象があった」
田中もそれに関しては同じような感触を持っていた。