「僕がイメージしているのは…」
彼らはその教訓を生かすべき。特にボランチが下がり過ぎず、コンパクトさを保つことは試合を優位に運ぶ上での絶対条件だ。そこは守田も遠藤もよく分かっているはず。田中碧(デュッセルドルフ)ら別のボランチが出場したとしても、間延びするシーンを極力少なくしなければいけない。いい守備組織が構築できていれば、日本がボールを保持する時間も増えるし、チャンスもより多く作れる。そういった展開に持ち込むことが肝要だ。
「僕がイメージしているのは、もちろん後ろを固めるのも大切ですけど、やっぱり出どころにどれだけいけるか。そこは結構、話し合った。勝ってる試合はしっかりコンパクトにした中で、やっぱり出どころに行って、相手にいい状態で蹴らせないことを徹底していた。それが生命線でもある。前向きなプレーの選択ができるかというのは、攻守両面において大事なのかなと思います」と遠藤も強調する。まさに全員守備が全員攻撃につながるということだ。森保ジャパンが重視してきた原点に立ち返り、いい守備からいい攻撃につなげることができれば、北朝鮮にそこまでやられることはないはず。アジアカップからの確固たる前進を見せてほしい。
中盤のバランスが改善され、日本がいい形でボールを持てれば、あとは得点を奪うだけということになる。今回はおそらく最前線に上田綺世(フェイエノールト)が入るだろうが、彼を中心としたアタッカー陣はこれまでの戦いからいいコンビネーションができている。特に堂安、久保との関係性は良好で、アジアカップでも決定的なチャンスを作り出していた。彼らが確実にゴールを挙げてくれれば、そこまで苦しむことなく勝利を手にできる。昨年の快進撃を再現するかのような「強い日本」を印象付け、大きな希望を感じさせることができれば理想的だ。
「相手も必死で、死の物狂いで倒しにくると思いますし、北朝鮮は僕たちとの試合のために1月下旬ぐらいからキャンプを張ってると聞いた。相当、覚悟を持った戦いになると思います」と守田も警戒心を募らせていた。そういう相手に飲まれることなく、メンタル的にも局面局面のバトルでも相手を上回ることが勝利への第一歩。いずれにしても守田と遠藤という主軸ボランチ陣には、チームを再浮上させるべく、強いリーダーシップを発揮することが重要だ。
(取材・文:元川悦子)
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