とにかく内容より結果
「今日は本当にサッカーの本質というか、球際の部分で戦って、五分のボールでこっちのものにしたり、みんなで声出し合いながら、助け合いながらっていうのを意識したんで、その頑張りがポスト2回につながったと思います」と米本も倍以上のシュートを打たれながら耐えた前半の奮闘を前向きに評していた。
名古屋の「勝利に徹する戦い方」はその後も続いた。後半立ち上がりに久保藤次郎に代えて野上結貴を投入した彼らはより強固な守備組織を形成。その一方で、右ウイングバックに上がった内田宅哉と右DFの野上が機を見て高い位置を取るなど、攻めの活性化も図った。
もう一段階ギアを上げたのが、58分に投入された山中だ。和泉竜司が足を痛めて交代が早まったのは確かだが、多彩なキックを蹴り分けられる背番号66がいるだけでリスタートの威力が増す。実際、4分後には彼の左CKから永井、三國ケネディエブスを経て、最終的にはハ・チャンレが右足でゴール。2つのリスタートで2-0にし、勝利を決定づけたのである。
「内容的にはまだまだという部分はあるが、今日は勝たなきゃいけない、ゴールを取らなきゃいけない試合だった」と今季初勝利を挙げた長谷川監督は安堵感を浮かべたが、「とにかく内容より結果」という指揮官の姿勢が色濃く感じられた90分間だったと言っていい。
そもそも名古屋はなぜここまで苦しんだのか…。その問いに中盤の要・稲垣はこう答えていた。