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明治安田J1リーグ第3節、川崎フロンターレ対京都サンガF.C.が9日に行われ、0-1で京都が勝利を収めた。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)オンリーレビューにより得点が認められないシーンが2度あった川崎だが、それ以上に京都に要所を封じられていた印象が強い試合だった。(取材・文:加藤健一)
川崎フロンターレを封じた京都サンガのディフェンス
ある1つの側面から見れば、運が良かったという見方をすることもできるかもしれない。イングランドから招へいしたスミス・ルイス・ディーン氏が主審を務めたこの試合は、試合序盤から終了間際まで、計4度に渡ってVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)チェックやOFR(オン・フィールド・レビュー)で試合が止まり、川崎フロンターレは2度、京都サンガF.C.も1度ゴールが認められないシーンがあった。いずれもジャッジ自体に疑いの余地はないが、わずかな差で勝敗が変わっていてもおかしくない展開だったともいえる。
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ただ、試合全体を通してみると京都の方が気持ちよくプレーをしていたように見える。戦前の予想通り川崎がボールを保持する時間が長かったが、時間帯によっては京都が押し込む時間帯もあり、結果的にシュート本数は川崎の9本に対して京都が8本と肉薄。拮抗した展開の中で京都が最少得点差を守り切った。
言うまでもなく川崎はJリーグ屈指の攻撃力を持つチームで、今季もこの試合までに公式戦5試合で12得点を挙げていた。京都の曺貴裁監督も「正直、無失点で抑えるのは難しいチーム」と評したが、京都が決定的に崩されるといったシーンはほとんどなく、京都が川崎を封じることに成功した試合だったと言えるだろう。
川崎はキープ力と展開力のある中盤、そして個の能力の高いウイングの特徴を出してゴールに迫る。その両ウイングにいい形でボールを受けさせないようにするのは常套手段で、川崎の3トップに対して4バックを維持しながら数的優位を保つという選択肢はあっただろう。しかし、曺監督はそれを「京都にとってプラスになるとは思えなかった」と言う。マルシーニョや家長がフリーでパスを受けるシーンも数多くあったが、京都のサイドバックは積極的に高い位置を取って攻撃に厚みをもたらしていた。
ただ、結果的にはそれが功を奏した。曺監督は勝利から遠ざかった過去2試合を踏まえてチームの軌道修正に取り組んでいる。