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Jリーグ 9か月前

「あそこで外しても…」4得点のジャーメイン良が明かす意外な心境。ジュビロ磐田全員が「監督に叩き直された」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

二転三転…。それでも動じないジャーメイン良



 アウェイの磐田が立て続けに3ゴールを奪った一戦は、猛反撃に転じた川崎が36分、55分、59分と連続ゴールをゲット。振り出しに戻った後も川崎が主導権を握っていた状況で、自慢のスピードを駆使し、一瞬の隙を突いたジャーメインが自ら獲得したPKを決めて再び磐田が勝ち越した。

 チョン・ソンリョンにコースを読まれながらも、ゴール左へしっかりと決めた80分に、壮絶なゴールの奪い合いに終止符が打たれたと思われた。しかし、ドラマはまだ続く。投入されたばかりの川崎のFW山田新を、ペナルティーエリア内の右でDFリカルド・グラッサが倒してしまう。

 すでに2ゴールを決めていた川崎のFWエリソンも、ハットトリックで続くと思われたなかで、山田がボールを抱えたまま離さない。オレが獲得したPKはオレが決める。山田をして「駄々をこねた」と言わしめた場面で、エリソンも山田に大役を託した。残り5分で再び同点となった。

 そして、7分が表示された後半アディショナルタイムに入った直後。自陣からのロングボールを、途中出場していた磐田の新戦力、マテウス・ペイショットが190cmの長身を駆使してゴール前へ流す。反応したジャーメインが混戦のなかを抜け出し、ゴール右隅へ勝ち越しゴールを叩き込んだ。

 サポーターが陣取るゴール裏スタンド前まで駆け抜けたジャーメインが、仲間たちにもみくちゃにされながら喜びを分かち合った光景が、しかし、一変する。VARの介入をへて飯田主審が再びOFRを実施する。混戦のなかでジャーメインにハンドの反則あったかどうかを確認するためだった。

 しかし、OFRの過程でさらに状況が変わってくる。ハンドが確認されたのは、ジャーメインと競り合った川崎のMF瀬川祐輔。ジャーメインのゴールは取り消され、またもやPKが宣告された。

 ジャーメインを含めた磐田の選手たちが血相を変えて飯田主審に詰め寄る。もちろん判定は変わらない。キッカーを務めるジャーメインは、状況が二転三転するなかで集中力と緊張感を持続できたのか。3点目と同じコースへ、いとも簡単に決勝点を叩き込んだヒーローは意外な言葉を口にした。

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