「さすがだな」酒井高徳が称賛した川島永嗣の凄さ
「永嗣さんじゃなかったら入っていたボールは絶対にあったし、そのへんはさすがだなと。永嗣さんにはGKの世界基準をJリーグに示してほしいと思います。
ポジショニングやセービング、考え方、振る舞いというところは日本のGKが見習うところが沢山ある。永嗣さんの姿を見て、少しでも多くGKが高い基準の気づきを得てほしい。彼が戻ってきたことは間違いなく日本にとってプラスかなと思います」
酒井高徳にしてみれば、2019年夏にドイツから日本戻ってきた自分自身と川島を重ねるところもあったのではないか。高い基準を持ち込むというのはそう簡単なことではない。神戸もJ1制覇を達成するまで4年を要した。しかも大迫や武藤嘉紀といった他の代表経験者も加わって、ようやく頂点に立てたのだ。
その事例を踏まえると、川島1人で磐田の現状を劇的に変えるのは難しいかもしれない。ただ、彼の一挙手一投足、難敵と対峙した時の強靭なメンタル、勇敢なプレーぶりは必ず仲間たちに好影響を与えるに違いない。
特に伊藤槙人やリカルド・グラッサら守備陣は細部に徹底的にこだわり、簡単にやらせないようなタイトな守りをより見せていく必要がある。川島が最後尾からそう仕向けていってくれれば理想的ではある。
神戸戦の苦い敗戦をどう今後につなげていくのか。磐田、そして川島永嗣自身の挑戦はここからが本当のスタートと言っていい。
(取材・文:元川悦子)