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FC町田ゼルビアDF鈴木準弥は昨年12月、地元静岡県沼津市で2泊3日のトレーニングキャンプを行った。ドイツやFC東京では苦しい時間を過ごした経験は鈴木にどのような影響を与えているのか。充実したキャンプを経て、鈴木はJ1の舞台で活躍を誓う。(取材:Footballcoach、構成:編集部)
【プロフィール】鈴木準弥
1996年1月7日生まれ、静岡県沼津市出身。アスルクラロ沼津U-12、ACNジュビロ沼津、清水エスパルスユースを経て、早稲田大学では全日本大学選抜に選ばれるなど活躍する。卒業後はドイツに渡り、ブンデスリーガ3部所属のVfRアーレンでプレー。帰国後の2019シーズンは藤枝MYFC、翌シーズンはブラウブリッツ秋田、21シーズン途中にFC東京へ移籍。23シーズン途中からはFC町田ゼルビアでプレーする。Jリーグ通算112試合出場7得点14アシスト。
【プロフィール】河岸貴
1976年7月25日生まれ、石川県出身。金沢大学卒業、同大学大学院修了。ドイツ・シュトゥットガルト在住。06年から指導者修行のためブンデスリーガの名門シュトゥットガルトの育成組織で研鑽を積み、09年から正式な指導者となり、11年1月から13年8月までトップチームに在籍。その後、スカウトと日本プロジェクトのコーディネーターを歴任し、サッカーコンサルティング会社「KIOT CONNECTIONS GbR」を設立。J SPORTSでブンデスリーガ解説、講義・講演活動、指導者講習会などを開催。21年から23年まで『フットボール批評』で「現代サッカーの教科書」を連載し、23年11月に著書「サッカー『BoS理論』 ボールを中心に考え、ゴールを奪う方法」を上梓。ドイツサッカー協会B級指導者ライセンス、日本サッカー協会A級指導者ライセンスを保持。
「なんとかなるという甘い考えだった」
サッカー選手は一般的な職業と比べて現役として活躍できる期間が限られており、数か月先の自分の立場すら保障されていないこともある。鈴木準弥のキャリアも決して平坦なものではなかった。
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幼いころにジュビロ磐田サポーターだったという鈴木準弥は、アスルクラロ沼津U-12からCANジュビロ沼津へ進んだが、ジュビロ磐田ユースへ昇格することはできなかった。清水エスパルスユースに進み、早稲田大学では全日本大学選抜に選ばれるなど、輝かしい活躍を見せていた。
しかし、卒業後に渡ったドイツで壁にぶつかる。ブンデスリーガ3部所属のVfRアーレンで約半年プレーしたが、「言葉も文化も違う。結局なんともならない」と挫折も味わった。その後は半年近く所属先が見つからない時期もあり、「なんとかなるという甘い考えだった」と当時を振り返る。
ただ、その苦い経験は先のキャリアに活かされることになる。2019シーズンに藤枝MYFCと契約を結び、J3リーグで29試合に出場。翌シーズンはブラウブリッツ秋田に加入し、33試合に出場してチームをJ2昇格へと導いた。さらに翌21シーズンの途中にはFC東京へ移籍し、J1に初挑戦することに。ただ、FC東京では出場機会を得られなかった。
2023シーズンは7月11月に町田への完全移籍が発表され、同月22日のジェフユナイテッド千葉戦で新天地デビュー。右サイドバックに加え、シーズン終盤には3バックの一角に入り、17試合で1得点5アシストを記録してチームのJ1昇格に貢献した。
大学時代から鈴木を知る河岸貴氏も「途中から加入して1ゴール5アシストは素晴らしい。良さがすべて詰まったシーズンだったな」と笑う。鈴木も「充実した日々はあっという間だった」と振り返った。