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【遠藤航・分析コラム】「次なるフェーズへ」リバプールでも際立つ「予測力」。“世界最高峰のMF”としての課題は…

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

課題は残ったまま…。遠藤航は「ボールを奪いやすい」



 この試合で遠藤は、保持の局面でも存在感を発揮した。チーム最多の69本のパスを成功させている。加入当初はボールを受けるポイントが悪く、あまり効果的にビルドアップに参加できない試合もあったが、試合を重ねる中で改善され、チームメイトからの信頼も得た。この2つの要因が重なって彼の下にボールが集まったのだろう。

 そしてボールに食いつく相手の動きをみて、シンプルにダイレクトでプレーする頻度も高かった。49分に味方選手とのコンビネーションで裏へと抜け出したルイス・ディアスへ出したパスや95分のライアン・フラーフェンベルフへのパスは、ブレントフォードのプレスを完璧に剥がす上で非常に効果的だった。

 こうした効果的なダイレクトでのプレーは加入当初と比較をすると明らかに増えている。

 一方で、持ちすぎた時の課題は残ったままだ。遠藤はボールを失わないアレクシス・マック・アリスターのようなテクニックがある選手でもなければ、フラーフェンベルフのような身体的な特徴を生かした懐が深い選手でもない。オーソドックスなボールの持ち方をするため、相手からすれば比較的ボールを奪いやすい選手と言えるかもしれない。

 今節も57分の場面をはじめ、シンプルにボールを繋がらなかった場面で不用意なロストがあった。結果的に致命的なミスとならなかったから良かったものの、失う場所や相手によっては失点に直結してもおかしくないプレーだった。

 そしてこのロスト以上に気をつけなければいけない課題が露呈している。

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