「今回は少し出せた」19歳のニュー高井幸大
「自分の代わりにヤマ君(山村和也)が出ることが多くて、ヤマ君のいいところは安定感だと感じた。そこは自分も去年からすごく意識していたところ。今年のシーズンは初めから自分にハッパをかけてやろうと思っていました。
やっぱりCBは安定感が一番大事ですし、チームの基盤でもある。そこが崩れたら試合展開もよくないものになってしまう。自分はそこが足りなかったし、今回は少し出せたのかなと感じます」
若い選手というのは好不調の波がつきものだ。それを極力減らし、つねに高いレベルのパフォーマンスを維持することが、恒常的な試合出場の第一条件と言っていい。
前述の通り、今季の川崎が事実上の2チーム編成を目指しているため、現時点でサブ的な位置づけの高井と丸山も出番は訪れるだろう。ただ、高井自身としてはジェジエウと大南拓磨が組んでいるファーストセットに入り込みたいのが本音のはずだ。
それを実現するためにも、この日の大迫封じのような気迫あふれるプレーを前面に押し出し、武器の組み立てや球出し、ビルドアップの部分を研ぎ澄ませていくことが肝心だ。鬼木監督の信頼を勝ち取るのは至難の業だが、若き長身DFのブレイクは日本サッカー界にとっても重要。今季の高井には目の前の壁を乗り越えてほしい。
「試合に出たら、まずDFなのでゼロで抑えるところっていうのは一番意識したいですし、自分の得意なところとしてビルドアップ、前につけるボールという特徴を出していきたいですね。今回は国立の芝の問題もあって慎重に行きましたけど、これからもっといい感じで前進していけると思います」
そうやって試合をこなし、丸山やかつてのリーダー・谷口彰悟のような強力な統率力や牽引力を見せること。それが2024年の高井のタスクだ。
本人も「今年はニュー高井を見せるのか」という問いに「そうですね、頑張ります」と笑顔を見せていた。彼には10代ラストの伸び盛りの今を逃してほしくない。
(取材・文:元川悦子)
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