10位:ナポリ(イタリア)
【写真:Getty Images】
監督:ワルテル・マッツァーリ(1年目)
23/24欧州CLグループリーグ成績:3勝1分2敗(2位)
戦力値:74(攻撃力20、守備力17、選手層18、勝負強さ19)
昨季33年ぶりにスクデットを獲得したナポリだが、ルチアーノ・スパレッティ監督の電撃退任によって迷走している。彼の後任に就任したリュディ・ガルシア監督は、成績不振のため昨年11月に解任。そして10年ぶりにワルテル・マッツァーリを新監督に招聘し、クラブを良く知る62歳に再建を託した。
新指揮官のもとでUEFAチャンピオンズリーグ(CL)では決勝トーナメント進出を決めたが、上昇の兆しを掴めておらず、セリエAでは就任時と比較すると5つも順位がダウン。現在は9位と低迷している。ただ、この低迷はマッツァーリの責任というよりも、今年1月から行われていたアフリカ・ネーションズカップ出場のために昨シーズン得点王に輝いたナイジェリア代表FWビクター・オシムヘンと中盤の要であるカメルーン代表MFアンドレ=フランク・ザンボ・アンギサが抜けた影響があまりに大きかった。
特に深刻だったのがオシムヘンの離脱。ナイジェリア代表が決勝まで駒を進めた影響で、エースを出場停止処分の期間も含めて6試合も起用できず、その間にチームは深刻な得点力不足に悩まされた。ただ、フィニッシャーとしても起点としても機能する彼が復帰すれば自ずとゴールは増えていくだろう。
主力の離脱もあって復調の兆しを掴めなかったマッツァーリ監督だが、徐々に自らの色を出し始めている。セリエA第22節ラツィオ戦からは彼の十八番でもある3バックにシステムを変更。守備に課題を残す中で、まずは失点を減らそうという狙いが見える。冬の移籍市場でも積極的に動き、指揮官が好むフィジカルに強い選手を立て続けに補強。逆に技巧派のエリフ・エルマスをライプツィヒに放出するなど、着々とマッツァーリの色が濃くなっている。オシムヘンの復帰に伴い間もなくベストメンバーが揃う中で、昨季のイタリア王者は立ち直ることができるだろうか。