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昨季の明治安田生命J1リーグで優勝を逃した横浜F・マリノスは、ハリー・キューウェル新監督を迎えて新シーズンへの準備を進めている。育成組織出身で20歳の山根陸は、新たなポジションに挑戦。求められる役割と自分にしか出せない色を合わせ、より強いマリノスを築き上げるために試行錯誤を続ける。(取材・文:藤江直人)
「正三角形」から「逆三角形」へ。横浜F・マリノスの変化
ピッチ上から見える景色が、昨シーズンまでとは大きく違う。攻撃時には相手ゴールが近く見える。背番号を「10」に変えた昨シーズンのJ1得点王、アンデルソン・ロペスも間近にいる。新しいシステムとポジションに、20歳のホープ、パリ五輪世代の山根陸がチャレンジしている。
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今シーズンから横浜F・マリノスの指揮を執るハリー・キューウェル監督は、同じ[4-3-3]システムでも中盤の形を変えて、アタッキング・フットボールをさらに進化させようとしている。
昨シーズンまでマリノスを率いたケヴィン・マスカット監督は、中盤の[3]にダブルボランチとトップ下を配置した。いわゆる正三角形から、オーストラリア代表でも攻撃の中心を担い、華麗なプレーから「魔法使い」と呼ばれたキューウェル監督は、それを逆三角形に変えた。
アンカーの前方の2人のインサイドハーフが並ぶ中盤で、昨シーズンはダブルボランチの一角で出場試合数とプレー時間を大きく増やした山根は、一列前のインサイドハーフにトライしている。
もっとも、インサイドハーフというよりは、トップ下的な選手が2人並んでいると表現した方がいいだろうか。45歳の指揮官から求められる仕事の一端を、山根はこう語っている。