なぜ前半の遠藤航はあまり機能しなかったのか
前半に遠藤が苦戦を強いられるシーンが多かったのは、彼個人の問題というよりも、バーンリーの狙いがハマったのが大きい。
ヴァンサン・コンパニ監督が率いるチームは縦にも横にも中盤をコンパクトにすることで、リバプールの中央からのビルドアップに対して高い位置でボールを奪うことができていた。その結果、バーンリーがカウンターからチャンスを作る機会が増え、遠藤からすると得意とは言えない後ろ向きの守備で後手に回る回数が多かった。
遠藤はアーセナルのデクラン・ライスをはじめとする1人で守備の問題を解決してしまうような“無理が効くディフェンス”ができる選手ではなく、制限が掛かった上での“予測の守備”が得意な選手だ。
カウンターの起点となる選手にプレスが掛からなければ、後ろから連動した守備をするのは難しい。前半の遠藤のプレーがあまり効果的に見えなかったのは、チームとしてよりも、彼個人でカウンター対応を余儀なくされたシーンが多かったからだろう。
チームとしてもカウンターからピンチを招き、セットプレーで追いつかれて1-1で折り返すなど前半はあまり良くなかった。この難しい状況をリバプールはチームとしてどのように打開したのだろうか。