鹿島アントラーズを襲う3つの誤算
「前進していくしない。前進していくなかで嬉しいサプライズが起こるというか、いまいる選手たちのなかから岳に代わるような選手が出てくれば、それに越したことはないと思っている」
新体制下における誤算は、実は柴崎や鈴木だけではなかった。セルビアリーグのバチュカ・トポラから完全移籍での加入が合意に達していた30歳の長身センターバック、ヨシプ・チャルシッチが来日後のメディカルテクで問題が確認されたとして、双方合意の上で正式契約に至らなかった。
前所属クラブで指揮を執りながら、相手チームのチャルシッチの才能を高く評価していたポポヴィッチ監督は「非常に残念な出来事」と受け止めながら、決して誤算ではないと強調している。
「この先のチャルシッチの人生を考えれば、この段階で問題が見つかって逆に幸運だったと彼にはポジティブにとらえてほしい。そして、明日何が起こるかわからない、ということが現実にわれわれのチームメイトに起こった。だからわれわれは1日1日を大切に過ごさなければいけないし、常に全力を尽くさなければいけない。当たり前のようにサッカーができる日々は、実は当たり前ではない。人生何があるかわからないからこそ、後悔しないようにすべてを出し切っていこうと選手たちには話しました」
常にポジティブに稼働する指揮官の思考回路は、早くもサプライズを手繰り寄せている。