「シンプルだけど一番難しい」鹿島アントラーズに落とし込むポポヴィッチ流
「まずは戦術どうこうよりも鹿島らしさというか、最低限、出さなきゃいけない勝利への執着心や戦う姿勢、球際の強さ、切り替えの速さを求める監督でフィルターにかけた。次に攻撃面でどのようなアップデートができるのか、といった点をリサーチしていくなかで、最終的には攻守両面でアグレッシブかつ組織的にプレーできる戦術を落とし込める、という点でポポヴィッチ監督にオファーを出しました」
何となく思い浮かぶイメージを言語化させたのが、エースストライカーの鈴木優磨だった。
「なるべくバックパスを減らして、ワンタッチで相手ゴールに向かっていく。すごくシンプルな要求ですけど、実は一番難しかったりする。プレーしていて面白いし、すごく充実感がありますよね」
鈴木が言葉を弾ませたのは新体制下で初めての対外試合となった、宮崎キャンプ中の1月27日に行われたテゲバジャーロ宮崎とのトレーニングマッチ後だった。指揮官を「ポポさん」と呼ぶ鈴木は先発して60分ほどプレーし、無得点に終わりながらもポジティブな言葉をさらに紡いだ。
「僕も一昨年から再びプレーしている日本で、バックパスが多いというか、相手ゴールに向かうパスがちょっと少ないと思っていた。そのなかでポポさんが求めることは非常にわかりやすくて、選手にダイレクトに響いてくる。ポポさん自身もすごく熱い人だし、選手にいいものはいい、ダメなものはダメだとはっきりと、ダイレクトに伝えてくれる監督なので、やりがいを感じています。あとはいかにポポさんがやりたいサッカーと、自分たちの特徴を出していくかのバランスの見極め方が大事になると思う」
鈴木がキーマンとしてあげた、バランスを見極める役割を担ったのがボランチの柴崎岳だった。