「そうなったらもう最悪です」指揮官の願いとは…
「小山はよく仕事をしていたんですけど、何となく山門がフワッとしていたので。優しくて本当にいい子なんですけど、そういったものを少しでも背負わせて、選手としても人間としても内側から変えて成長させたいと思いました。ちょうどサッカーでも少し調子を落としていた時期だったので」
今年度の主戦システム[3-4-2-1]でシャドーを務めてきた山門は、決勝を含めた5試合すべてで先発。チーム最多タイの3ゴールをあげている。4月から山門は甲南大学、西村は京都産業大、キャプテンの金山耀太は関西学院大へそれぞれ進学。他の3年生とともに新たな挑戦をスタートさせる。
「今回の全国高校選手権を通して、彼らは本当に素晴らしい経験をさせてもらったと感謝しています。ただ、この先の人生でこれが頭でっかちな経験になって、あのころはよかった、といった感じには思ってほしくないし、そうなったらもう最悪ですよね。今回の経験が彼らにとって養分になり、血肉にもなって、どんな分野であっても次のステージで輝いてほしい、というのが僕の願いですね」
まもなく旅立ちを迎える3年生へ、愛情あふれるエールを送る前田監督は、2月以降は準優勝を振り返る一連の取材をシャットアウト。1月20日に決勝が行われた滋賀県の新人戦で、自身の母校でもある草津東を破り、頂点に立った新チームの指導に情熱のすべてを注いでいく。
(取材・文:藤江直人)
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