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日本代表 10か月前

3年前から進歩がない。サッカー日本代表が繰り返した選手への依存【アジアカップ2023現地取材コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

一体なぜ…。森保一監督が明かす交代策の意図



 イラン代表は開始早々からジャハンバフシュのロングスローを使い、長いボールと高さを生かした攻めを前面に押し出してきたのだ。そして10分には右からのスルーパスをアズムンがキープ。反転して板倉の背後に抜け出したオハンマド・モヘビに決められてしまう。相手の巧みな連係プレーにはさすがの冨安・板倉コンビも崩されてしまった。

 この8分後にもオミド・エブラヒミが蹴り出したロングボールにアズムンが反応。板倉、毎熊晟矢をかわしてゴール。完璧な逆転弾かと思われたが、オフサイドの判定に日本代表は九死に一生を得る。このあたりから冨安、板倉、毎熊、遠藤航らの疲労がじわじわと見えてきた。

 ただ、そこで森保一監督が切ったカードは意外なものだった。相手の空中戦に備えて町田浩樹を入れて3バックに変更するというものではなく、守備で貢献していた前田と中盤でキープ力を発揮できる久保建英を下げ、三笘薫と南野拓実を投入。指揮官はこの交代の意図を次のように説明する。

「南野と三笘を投入して推進力を上げたかった。前日の韓国対オーストラリア戦を見て、オーストラリアが勝っている状況の中で5-4-1にして下がりすぎ、じり貧になるのも見ていた」

 皮肉なものでイラン代表はこれを機により蹴り込み作戦を強化。前田の存在によって封じられていたレザイアンが次々とモヘビやアズムンを目がけて対角線のハイボールを蹴り込み続ける。それで日本代表はズルズルとラインが下がり、セカンドボールを拾えなくなり、リスタートを与えるなど、完全に相手の土俵に引きずり込まれてしまったのである。

 守田は悔やむように言葉を紡ぐ。

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