板倉滉の失態を招いたもう1つの原因
板倉のパフォーマンスに対する批判があるのはもちろんだが、使い続けた方も使い続けた方だ。
ベンチには町田浩樹というカードがあった。インドネシア代表戦で先発起用されて冨安とコンビを組み、バーレーン代表戦では途中出場で3バックの一角に入って試合をクローズさせる役割を担った。カバーリング能力と空中戦の競り合いを得意とする左利きのセンターバックで、これまで出場した8試合はすべて勝利している。
ベンチメンバーと圧倒的な実力差があるなら板倉を下げるのに躊躇するのも理解できるが、町田であれば遜色なくその役割を任せられるはずだ。町田を左に、冨安を右に置けば状況が好転した可能性は高い。
板倉はインドネシア代表戦を体調不良により欠場している。バーレーン代表戦では試合終盤に足を負傷しており、中2日でこのイラン代表戦に臨んでいる。コンディションを問われた板倉はその問題を今大会より「全然前ですね」と話すにとどめた。いずれにせよ、今大会、そしてこの試合における板倉のパフォーマンスは、本来のそれとは程遠かった。
板倉は試合後に「代表に値しないパフォーマンスだった」と振り返った。たしかにパフォーマンス自体はその通りなのだが、そんな状態にある板倉を使い続けた森保一監督の責任は重い。本来の出来とは程遠い27歳のセンターバックに「ピッチに立つ資格はない」とまで言わせ、敗戦の責任を背負わせることとなったのだから。
(取材・文:加藤健一【カタール】)
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