板倉滉を下げるべきいくつもの理由
24分には相手を倒してイエローカードをもらってしまう。モハマド・モヘビが左に流れてパスをもらうと、ワンタッチで縦に抜け出そうとしたところについていけず、モヘビを倒してしまった。普段のプレーを見ているだけに、間合いを詰めるタイミングや距離感が明らかにおかしかった。
それ以外にも堂安律へのパスが短くなってボールロストする場面もあり、微妙な距離感を全くつかめていなかった。50分には背後に蹴られたロングボールをサルダル・アズムンと競り合ったが、軽い接触で簡単に入れ替わられてしまう。68分には自身の裏にロングボールを蹴られたのだが、背後に走りこまれたサマン・ゴドスの動きに全く気づけず。いずれもオフサイドの判定に救われたが、イラク代表は明らかに板倉の背後を狙っていた。
54分の失点シーンも問題だらけである。GK鈴木彩艶のロングキックをハーフウェイ付近で失った形だが、冨安と板倉のラインの押し上げが遅かった。中盤との間に生まれたスペースにパスを出され、板倉の背後を取ったモヘビがシュートを流し込んでいる。押し上げの遅さと背後のケアの緩さが招いた失点だった。
板倉を下げるタイミングはいくつもあった。キックオフ直後の異変は別として、イエローカードをもらった時点で頭の片隅にはよぎるだろう。50分のシーンは普段の板倉ではありえない。54分の失点シーンも、68分にオフサイドに助けられたシーンも、決断を下すに値するシーンではないだろうか。