ミックスさせた「2つの戦い方」
GK鈴木彩艶がゴール前で高く上がったボールをパンチしたが小さく、拾われたクロスボールからCKを与える。そしてCKからのヘディングを鈴木が防ぐが、ゴール裏へ弾き出すには至らずフワリと上がってゴールインしそうになった。鈴木は体勢を立て直して落下点に入り、相手選手も誰もいなかったのだが、ゴールカバーに入った上田と競り合うような形になってしまいオウンゴール。
しかし、危なかったのはこの時間帯に限定できた。68分に三笘薫と南野拓実が登場すると再び攻勢を開始。72分に上田の反転からの突破、さらにGKの足の間を打ち抜く有無を言わせぬ強烈な一発で3-1と突き放す。
85分には3人に囲まれた三笘が一瞬の加速で全員置き去り。フリーの浅野拓磨へラストパス、浅野は全くフリーだったが体勢を崩してシュートできず。アディショナルタイムにも浅野が裏抜けからGKと1対1になったが決めきれず。1分後にもカウンターから南野のラストパスが三笘へ通るが難しいバウンドになってシュートは枠へいかなかった。すでに2点差なので試合に影響を与えるものではないが、チャンスが増えた途端にフィニッシュの精度が落ちてしまった。
相手がほぼハイプレスはしてこないので、ロングボールを通用させなかった時点で日本代表が押し込む流れが確定。後半に支配率は落ちたがコンパクトな守備ブロックで迎撃。ポゼッションとハイプレスで押し切る、少し構えてカウンターを狙う、2つの戦い方をミックスさせたことで、失点前後を除いては安定感のあるプレーだった。基本的には前回大会の「塩試合」に近いのだが、3点とれる決定力という進歩を示していた。
(文:西部謙司)
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