ロングボールに苦しんだ理由「大きな要因と考えられるのは…」
「そもそも本来は、自由にロングボールを蹴らせないようにしなければなりません。オープンプレーのなかではさほど多くなかったにせよ、相手がフリーで蹴る場面をつくらせないようにすべきです。そのために前線からのプレッシングは必須になるのですが、そのときに前へいく選手と後ろへ下がる選手がいるといったようにバラバラの状況になってはなりません」
「ボールホルダーへのアプローチ時にはチームが連動する必要があり、チームとしての意思統一ができていないとうまく機能しないでしょう。これまではできていたことなので、大きな要因と考えられるのは集中力だと思います」
日本代表はその集中力の欠如が一端となり、早い時間帯での失点など予期せぬ状況を生み出してしまった。そのことで感覚を狂わされ攻守ともに歯車にずれが生じたのでないかと、アレックスは分析している。そういった状態に陥らないためにも「集中力の強度が必要」と強く訴えた。
今回のアジアカップのように短期間の大きな大会では、修正点を抱える強豪が調子を取り戻せずに敗退することは多々あり、そのことはこれまでの歴史が証明している。現状の日本代表もその可能性を十分に秘めており、修正は急務となっている。
「アジアカップのような短期間で行われる大会では、チームにとって本当に時間がないことでしょう。試合が続くのでリカバリーの時間も必要になることを考慮すると、次の試合に向けたトレーニングの時間はほとんどありません。そういった状況のなか指導者ができることは少ないのですが、まずはできるだけシンプルにわかりやすくて選手らに説明することが必要になります。多くは語らず何をすべきかを明確にして、とにかくわりやすく伝えなければなりません」
修正点を挙げ危機感を露わにしたアレックスだが、それでも「日本が優勝すると信じていますよ」と語気を強めた。それは日本代表はそもそものポテンシャルが高いということに起因しているうえ、修正すべきポイントも明らかになっているからだ。それを踏まえると、あとは良くなるだけなのだろう。
(取材・文:川原宏樹)
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