「反省が活かされた」インドネシア代表戦
中山はベンチから試合を見ていた2試合で「縦の距離感も遠かったが、横の距離感も遠かった」という問題意識を持っていたという。味方との距離が遠くなると、どうしても局所で1対1の勝負となり、中山曰く「事故みたいなことが起きそう」になる。
適切な距離を保つことができれば、ボールを失った瞬間に囲んで奪い返すことができる。「トミ(冨安)とマチ(町田)がよく意識して周りにも声をかけていたし、穴埋めする(遠藤)航君もスペースに入ってくれていたので、チームとして反省が活かされた」と振り返っている。
右サイドバックの毎熊晟矢は、変幻自在にポジションを替えながら堂安律や久保建英と絡んで、右サイドの攻撃を活性化させていた。それと比較すると中山が左サイドを駆け上がる場面は少なかったように映る。中山はその意図をこう明かしている。
「特徴として律が中(を得意とする)で、マイク(毎熊)がガンガン上がる選手なので、結果としてこっち(左)でバランスを取った。アジアのチームは失った瞬間にショートカウンターを狙うイメージがあるので、両サイドバックが高い位置にいすぎるのは怖い」
全体のバランスを見ながら、中山は周囲の選手と最適な距離を保っていた。「ネガトラ(ネガティブトランジション)に入るときに逆サイドバックが戻り切れないことがあったので、僕はそれを見た結果としてバランスを取っていた」。
インドネシア代表戦は相手に勝機を与えず、危なげなく勝利したという表現が正しいだろう。ただ、FIFAランキング146位の相手ということを忘れてはならない。優勝という目標を達成するためには、まだ乗り越えなければならない課題はある。