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「脆弱性が…」サッカー日本代表の問題を指摘するスペイン人指導者。「守備方法を統一できていない」【アジアカップ2023】

シリーズ:スペイン人指導者の視点 text by 川原宏樹 photo by AFC

「いい選手がいる」≠「90分いいプレーができる」



 グループステージでの日本代表は、このように主に守備面での問題が目立ったことを指摘したアレックスだが、これまでできていたことができなかった要因を考察した。

「以前に日本対策の話をしたときに、日本のスピードとリズムでプレーさせないようにして感覚を狂わせることがキーポイントになるといったような指摘をしました。日本には質の高い選手がそろっていることは間違いないでしょう。ですが、いい選手がいるという事実は90分間のいいプレーを保障するわけではありません。それよりも選手同士がどのような感覚でプレーするかが重要で、それはパフォーマンスに直結し、プレーの出来を大きく左右させます。前半で逆転を許したことや早い時間帯での失点ということが影響して、自分たちが気持ちよくプレーできる感覚が乱されてしまったのではないでしょうか」

 このような日本対策を実行するのは「アジアのチームにとっては簡単なことかもしれません」と、アレックスは日本代表が置かれている状況を説明した。

「日本と対戦するアジアのチームのほとんどは、試合開始15分間で2点を奪われてしまうかもしれないと覚悟を決めて臨んできます。対策方法はさまざまあると思いますが、そのような覚悟を持っているために割り切って思いきったプレーをしてきます。そういった感覚がポジティブに働いた結果、うまく対策を実行できたのでしょう。だから、同じ対策や戦術を用いたとしても、次はその覚悟や感覚が逆に作用する可能性もあり、結果として日本が大量得点で勝ってしまうという結果も十分にあり得ることだと思います。だから、日本に勝ったイラクは戦術的にも優れていたのですが、メンタル的にもいい状態をコントロールできており、素晴らしい準備ができていたといえるのではないでしょうか」

 ここまでグループステージで露呈した日本の問題点を指摘してきたアレックスは、ノックアウトステージに向けた「修正点は1つしかない」と主張している。次回はアレックスが日本代表の修正点について明かす。

(取材・文:川原宏樹)

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【了】

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