会長が社長へ「最優先してほしい」と伝えたこと
「未月本人の意思を最優先させてほしい」
そして、齊藤にもあらためて電話を入れて今後の交渉方法を確認した。
「契約事なので、今後は坂本と吉野(智行スポーツダイレクター)と話をしてほしい」
湘南と齊藤は2024シーズン終了まで契約を結んでいた。一方で神戸への期限付き移籍は1年で満了を迎える。小学生年代のジュニアから湘南ひと筋で育ってきた、クラブ全体の至宝と言っていい齊藤に対して「じゃあ戻って来い、と無理やり言う必要もないと最初から考えていた」と眞壁会長は明かす。
「もちろん本人が戻ってきたい、と希望すればイエスでした。ただ、昨年に未月と話したときに『びっくりするくらい、ここでの練習はいいです』と言っていた。よほど手応えがあったんでしょうね。本当にアグレッシブだけど、攻撃になるとちょくちょく相手にパスをわたしていたアイツから、そういったミスがどんどん減ってきていた。大迫(勇也)選手をはじめとするベテランがそろっている環境で、毎日のように充実した練習ができている証だと思っていたところだったので」
だからこそ、齊藤本人の意思を尊重した。そして、齊藤が選んだのは神戸への完全移籍だった。
今月12日に行われた完全移籍会見。齊藤は「湘南ベルマーレに対して、決して思いがないというわけではありません」と断りを入れた上で、古巣と袂を分かち合う決断を下した理由をこう語っている。