GK:西川周作(にしかわ・しゅうさく)
【写真:Getty Images】
生年月日:1986年6月18日
所属クラブ:浦和レッズ
2023リーグ戦成績:34試合27失点
日本代表通算成績:31試合23失点
現在37歳と大ベテランの域にいる西川周作だが、そのプレーから衰えは感じられず、むしろ凄みを増し続けている。決定機を阻止するセービング能力はもちろん、状況を一気に変える左足の高精度キックは目を見張るものがあり、昨季はJリーグベストイレブンにも選出された。
大迫敬介が負傷中、シュミット・ダニエルが今冬シント=トロイデンからヘントに移籍、中村航輔が怪我から復帰したばかりということもあって、AFCアジアカップカタール2023に臨む日本代表のGK陣は鈴木彩艶、前川黛也、野澤大志ブランドンという顔ぶれになった。とくに鈴木と野澤は若く、特大のポテンシャルを秘めた存在だが、いずれも代表キャップ数が2桁未満で、経験値という意味では不安が残る陣容となった。
実際に、ここまでの日本代表はGKに問題を抱えている。初戦のベトナム代表戦、続くイラク代表戦ともに鈴木がゴールマウスを守ったが、前者ではシュートを弾ききれず失点。後者ではクロスボールを相手の元へ弾いてしまい、ダイレクトで押し込まれて失点と不安定なプレーが続いている。もちろん、そのすべてが個人の責任ではないが、まだまだ経験が浅いためか判断力や安定感に欠けている印象だ。現時点では鈴木のみプレーしているが、前川と野澤を起用したとしてもそれは解決策にはならないかもしれない。
これまでの国際大会におけるGKメンバーの中には、必ずと言っていいほどピッチ内外で精神的支柱となれるベテランがいた。そういった意味では、今大会も第3GKにベテラン枠を設けても良かったのではないか。とくに西川は日本代表経験も豊富で、上記の通り今なおバリバリにプレーしており、精神的支柱としても単純な戦力としてもうってつけの存在だったはずだ。