サッカーAFCアジアカップカタール2023(アジア杯) 最新ニュース
現現地時間2024年1月12日にAFCアジアカップ2023がカタールで開幕した。出場する24ヶ国のうち、最も戦力が充実している代表チームはどこなのか。今回はこれまでの戦いを分析して数値化し、戦術やフォーメーションを紹介する。※「攻撃力」「守備力」「采配」の3項目を10点満点で評価し、平均値でランキング化
戦力値ランキング:4位:サウジアラビア代表
監督:ロベルト・マンチーニ
FIFAランキング:56位
戦力値平均:7.7(攻撃力8、守備力7、采配8)
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近年、サッカー界で最も話題を集めているアジアの国はサウジアラビアではないだろうか。
2022年のカタールワールドカップで後に優勝するアルゼンチン代表を倒したかと思えば、2023年夏にはクリスティアーノ・ロナウドやネイマール、カリム・ベンゼマ、サディオ・マネらスター選手たちが続々と国内リーグへと移籍。しまいには、空席だった代表監督の座に2021年にイタリア代表をユーロ(欧州選手権)王者に導いたロベルト・マンチーニを招聘した。
激動の数年間を歩んでいるサウジアラビアだが、意外にも代表チームの強化は進んでいない。むしろ、スター選手たちの続々の到来により、サウジアラビア代表の選手たちの出場機会が損なわれる事態に発展している。カタールワールドカップで正GKを務めたムハンマド・アル=オワイス(アル・ヒラル)と2番手のムハンマド・アル=ルバイエ(アル・アハリ)はそれぞれモロッコ代表GKボノとセネガル代表GKエドゥアール・メンディにポジションを奪われた。代表の主将を務めていたサルマン・アル=ファラジュ(アル・ヒラル)までもそのあおりを受けて、セルビア代表MFセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチとポルトガル代表MFルベン・ネベスに出場機会を譲っている。
ロベルト・マンチーニ監督は出場機会を得られていないかつての主力たちを今大会のメンバーから外した。中にはセルビア代表FWアレクサンダル・ミトロビッチにポジションを奪われたFWサレー・アル・シェフリ(アル・ヒラル)のように駒不足から、出場機会がほとんどなくても呼ばざるを得ない選手たちもいる。そのためカタールワールドカップ時と比較をすると、戦力はダウンしたと言って良いだろう。
そんな状況でも戦力値の「攻撃力」は「8」と高い数値を維持することができている。カタールワールドカップでアルゼンチン代表相手に衝撃的なカットインシュートを沈めたサレム・アル・ドサリ(アル・ヒラル)は、サウジアラビア人選手ではトップの9ゴールを決めており、所属クラブと代表チームの両方で得点を量産中だ。サウジアラビア代表で最も市場価値が高い(400万ユーロ/約5.6億円)のフィラス・アル=ブライカン(アル・アハリ)はブラジル代表FWロベルト・フィルミーノからポジションを奪い返し、その勢いのままサウジアラビア代表でもスタメンに定着しようとしている。
一方のディフェンスは2人のGKが今大会のメンバーを外れた以外は、ほとんどカタールワールドカップの時と顔ぶれは変わらない。しかし、2023年の強化試合は1分5敗と散々な結果に終わり、5試合で複数失点を喫するなど、戦力値で「7」とした「守備力」には怪しさが残る。11月のワールドカップアジア二次予選では格下のパキスタン代表とヨルダン代表相手に2試合連続で完封勝利を収めたが、戦力が拮抗している、もしくは格上相手との対戦となると守備でボロが出るかもしれない。
マンチーニは本来の代表のベストメンバーを使えないという困難な状況で今大会に挑まなければいけない。ユーロという国際大会でのトーナメントで優勝した実績から「采配」を「8」としたが、実際にベンチメンバーを含めたスカッドがどこまで使えるかは未知数な部分が多い。当初、今大会に向けて招集したメンバーの中でも何人か怪我人が出るなど戦力的に厳しく、逆にこの状況でも結果を残すとなれば、マンチーニの評価はさらに高まることだろう。