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どうした板倉滉と菅原由勢
サッカー日本代表は19日、AFCアジアカップカタール2023・グループリーグD組第2節でイラク代表と対戦。前半だけで0-2のリードを許した日本は試合終盤に遠藤航の得点で1点差に詰め寄るも力及ばず、1-2で敗戦している。この結果、グループ首位通過の可能性は完全に消滅することになり、2011年大会以来の優勝に向け早くも崖っぷちに追い込まれている。
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イラク代表の徹底した守備を前に日本代表の攻撃陣は沈黙し、枠内シュートは遠藤のゴールを含めてわずか2本と悲惨な結果に終わっている。しかし、それ以上に心配だったのが守備陣だ。初戦のベトナム代表戦に続いての複数失点であり、昨年ドイツ代表を最少失点に抑えた固さが影を潜めている。
1失点目は相手のクロスボールをGK鈴木彩艶が弾くも、これがFWアイメン・フセインの元へ飛んでしまい、押し込まれる形となってしまった。ベトナム代表戦に続き、自身がボールを弾いた先にいた選手にダイレクトでゴールを決められたことで、鈴木に対する批判の声が高まっている。確かに、鈴木のプレーは中途半端で、もう少し大きくクリアすべきだったかもしれない。
しかし、鈴木にばかり批判の矛先が向けられるのはおかしな話だ。上記のシーン、あまりに簡単にサイドを崩されていたことがそもそもの問題である。
先制点の直前、菅原由勢がボールホルダーにプレッシャーをかけたため、板倉滉がポケットを取りに動いた相手に寄せにいった。しかし、それほど厳しく体を寄せたわけではなく、足でブロックをしたわけでもない。結果、簡単に中央へ放り込まれ、上記のシーンにつながってしまった。
これを皮切りに、この日の板倉と菅原は中途半端な守備対応を続けてしまった。
2失点目は菅原がサイドを簡単に突破され、その後のスペースカバーには遠藤が入り、結果的に板倉はストーンの役目に回ったが、クロスボールを弾けず、ズレが生じたところでヘディングシュートを許してしまった。菅原の軽い対応はもちろんのこと、カバーに入るのが遠藤なのか板倉なのか曖昧になったのが痛手だった。
さらに54分には菅原と板倉の間のスペースが大きく空いたところを突かれて、ペナルティーエリア内への侵入を許している。最後は菅原がぎりぎり足を伸ばして止めたが、抜け出された際に板倉は全力でカバーに入るわけでもなく、歩いていた。そして板倉の背後から飛び出してきた選手にこぼれ球を拾われており、時間は短かったが攻撃を継続させてしまった。攻撃的に出る菅原のリスク管理の低さと板倉のカバーや反応の遅さが招いたピンチだった。
イラク代表は背後のリスクを承知で前に出る菅原のいる右サイドを執拗に突いており、まさに狙い通りの形から決定的なシーンを作り出していた。これまで菅原と板倉と言えば磐石だったが、この1試合では化けの皮を剥がされる格好になったと言えるだろう。
とくに菅原は心配だ。第2次森保ジャパンでは継続してハイパフォーマンスを披露していたが、ベトナム代表戦、イラク代表戦ともにカウンターの対応が脆い。後者に関しては攻撃面でシンプルなパスミスを何度か犯すなど、明らかにコンディションが悪いようだ。このまま使い続けるより、一度ベンチに置いて気持ちの面などをリセットさせた方がいいだろう。
菅原の中途半端な1対1対応と板倉のカバーや反応の遅れ。日本の右側はゆるゆるだった。
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【了】