お手本になり得るイラク代表の“日本対策”
後半から谷口彰悟に代えて冨安健洋。おそらくフサインへのロングボール対策だったのだろうが、そのフサインが交代で退いたのと、日本代表のベースとなっている冨安、板倉、守田、遠藤の4人が揃ったことでプレー強度が上がり、ワンサイドゲームに移行した。
ただ、66分から5-4-1のローブロックを敷いたイラク代表に対して、崩し切れない流れは変わらず。
56分には左サイドを突破した伊東の低いクロスボールに浅野が合わせにいったが触れず。このプレーはいったんPKと判定されたが、VARが介入してOFRが行われた結果、ファウルではないと覆された。浅野はボールに触れておらず、相手選手がボールをクリアしているので最終的な判定どおりだろう。
後半から伊東が左サイドへ移動し、南野がトップ下、久保が右(62分に堂安律と交代)となった。前半に効果的でなかった左の可変ではなく、南野は最初からトップ下に置き、左右のドリブラーに突破を委ねたことで攻撃の鋭さは増した。守田が高い位置で絡めるようになり、南野、堂安がバイタルでプレーできるようにもなった。前半から後半のようにプレーしていれば、おそらく結果は違っていたように思われるが、すでに後の祭り。アディショナルタイムにCKから遠藤がゴール。さらに猛攻を仕掛けたが2点目は遠かった。
イラク代表は日本代表に対してどうプレーすべきかのサンプルだった。日本代表にとっては、それを上回るには何をすべきなのかが明確になったはず。今後の試合で改善点をしっかり示していかなくてはならない。
(文:西部謙司)
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