「欲張らなくてもいい」久保建英が得点に貪欲ではない理由は…
実際、久保がトップ下に入る時は周囲にいる選手の特徴やストロングをより一層、引き出せるようになっている。イラク代表戦であれば、上田綺世、堂安律、中村敬斗あたりが前線に並ぶと見られるが、彼らといい距離感を保ちながら、敵を引きつけ、フリースペースを突くといった形を数多く作れるはず。
そういったプレーこそが、南野拓実との明確な違い。南野が入った時は前線が2トップに近い状態になる傾向が強いが、久保はサイドにも中盤でも幅広く動ける。右に堂安が陣取っている場合は、頻繁にポジションチェンジをしながら攻撃に変化をつけるのも得意だ。久保の創造性やアイデアは卓越したものがある。その武器を駆使して、周囲の決定機を演出する仕事がまずは必要になってきそうだ。
そのうえで、自分自身もゴールという結果を貪欲に狙いたいところ。ここまで代表30試合に出場している久保だが、まだ得点自体は3と少ない。レアル・ソシエダで昨季9ゴール4アシスト、今季もまだ半分ながら6ゴール3アシストという傑出した数字を残しているアタッカーとしては、やはり物足りないと言わざるを得ないだろう。ただ、久保自身は異なる見方で代表活動に臨んでいる。